健康にいい!鰊(にしん)に含まれる栄養と健康効果15選について

 

健康にいい!鰊(にしん)に含まれる栄養と健康効果15選について

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鰊(にしん)はニシン目ニシン科に分類される深海魚で、分布域は広いが回遊範囲が狭く、固有の湾内などを生息域とする地域性の群れと、広範囲の海洋を回遊する群れの二種類が存在します。日本では日本海や太平洋に分布していて、体長は30~35㎝ほどあり、主に動物性プランクトンやオキアミなどを捕食します。ニシンは食用として利用されていて、塩焼きや、フライ、マリネ、昆布巻き、刺身などで食べると美味しいですよね。そんなニシンには一体どんな栄養が含まれていて、どのような健康効果があるのでしょうか。今回はニシンに含まれる栄養と健康効果15選についてお伝えしていきます。

 

 

鰊(にしん)に含まれる栄養と健康効果15選について

ニシンには、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミンA、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12葉酸パントテン酸)、ビタミンD、ビタミンE、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガンDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)などの栄養が豊富に含まれていて、「免疫力アップ」「疲労回復」「ガンの予防」「高血圧の予防」「貧血の予防」「高コレステロールの予防」「糖尿病の予防」「喘息の予防」「関節炎の予防」「脳障害の予防」「認知症の予防」「骨や歯の健康維持」「目の健康維持」「精神の安定」「美肌効果」などの健康効果があります。

 

免疫力アップ

偏った食生活や、加齢、冷え、ストレスなどが原因で免疫力は低下してしまうと、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染や食中毒などの細菌感染を起こしやすくなってしまいます。ニシンに含まれているタンパク質には白血球などの免疫細胞や、免疫に関わる酵素の材料となる働きがあります。また、血管の強化や、気管支の粘膜を正常に保ち、成長を促進させ、免疫細胞の働きを活発にすることによって、喉や鼻の粘膜を強化して、ウイルスの侵入を防ぐ効果があるビタミンAや、抗酸化作用によって免疫細胞が働きにくくなる原因である活性酸素を除去し抑制することで免疫細胞を活性化させる働きがあるビタミンE、免疫の為に必要なタンパク質の生成を助ける働きがあるパントテン酸葉酸、免疫機能を維持する効果のある免疫グロブリンという抗体の生成に関与するビタミンB6や、細胞がウイルスや細菌に感染するとシグナルとなって免疫細胞を活性化させる働きがある亜鉛なども含まれているので、ニシンには免疫力をアップする効果があると言えます。

 

疲労回復

人間の身体は、病気、栄養不足、運動不足、睡眠不足、ストレスなどによって、疲れてしまうと疲労状態になってしまいます。ニシンに多く含まれるビタミンB群には、エネルギーを生み出すために欠かせない三大栄養素である糖質、脂質、タンパク質の分解や代謝に必要な酵素補酵素としてサポートする重要な働きがあり、エネルギー不足による疲労を防ぐ効果があります。また、筋肉を修復することで、筋肉が弱り、内臓の働きが衰えて疲労しやすくなるのを防ぐ働きがあるタンパク質や、血糖値を正常な値に維持することで疲れにくくする働きがある炭水化物(糖質)なども含まれているので、ニシンには疲労を回復する効果があると言えます。

 

ガンの予防

ガンは日本人の三大死亡原因の1つとしてされていて、約3人に1人がガンで亡くなっていると言われています。ニシンに含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)には、がん細胞の増殖や転移を抑制する働きや、身体の細胞をガン細胞へと変化させるように促す活性酸素を体外へと排泄する働きがあります。また、抗酸化作用によって、ガンの原因物質である増えすぎてしまった活性酸素を除去し抑制する働きがあるビタミンEも含まれているので、ニシンにはガンを予防する効果があると言えます。

 

高血圧の予防

偏った食生活、肥満、喫煙、過度な飲酒、ストレスなどが原因で血圧が高くなってしまうと高血圧になってしまいますが、ニシンに含まれるカリウムには高血圧の原因の一つである過剰に摂取しすぎたナトリウム(塩分)を排出し、体内の水分濃度を調整する働きがあります。また、血管を緩めることで、血圧の上昇を抑える働きがあるマグネシウムや、体内で使用されたナトリウムの排出を促進し血圧を下げる働きがあるタンパク質、血液をサラサラにすることで、血圧の上昇を抑える働きがあるDHA(ドコサヘキサエン酸)や、血栓を作りににくくして血液を通りやすくし、血圧を下げる働きがあるEPA(エイコサペンタエン酸)なども含まれているので、ニシンには高血圧を予防する効果があると言えます。

 

貧血の予防

血液中で酸素運搬の役割を果たすヘモグロビンを構成する重要な成分のひとつである鉄が不足してしまうと、ヘモグロビンが体内で生成されずに減少してしまい、貧血になってしまいます。ニシンにはヘモグロビンを生成するのに必要な成分である鉄分が含まれています。また、ヘモグロビンを含有している赤血球の生成を促す働きがあるビタミンB群のひとつであるビタミンB12や、ホルモンバランスの調整や赤血球の中にあり血液中で鉄や酸素を運んでいるヘモグロビンを生成するのに必要なビタミンB6、異常な赤芽球が増えてしまい酸素が減って貧血になるのを防ぐ働きがある葉酸や、抗酸化作用によって体に身体に有害な活性酸素を除去し抑制することで、病気などの抵抗力を高めて全身の細胞に酸素を運んでいる赤血球の生成や血流を改善する働きがあるビタミンE、造血を助ける働きがある亜鉛や銅なども含まれているので、ニシンには貧血を予防する効果があると言えます。

 

コレステロールの予防

コレステロールには、善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールと、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールがあります。善玉コレステロールには、血液中に浮遊する余分なコレステロールや血管壁にくっついたコレステロールを回収し除去する働きがあり、悪玉コレステロールには善玉コレステロールと反対に細胞膜などを形成するために血液中にコレステロールを送り出す働きがあります。この悪玉コレステロールが増えすぎてしまうと血液中にコレステロールが増え、血管壁にくっついてしまい、血中のコレステロール値が高い状態になってしまいます。ニシンに含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)には、血中の中性脂肪コレステロールを低下させる働きがあるので、ニシンには高コレステロールを予防する効果があると言えます。

 

糖尿病の予防

偏った食生活、運動不足、肥満、喫煙、ストレス、遺伝、インスリン欠乏などが原因で血糖値が高くなってしまうと糖尿病になるリスクが高まってしまいます。ニシンに含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)には、血糖値を下げる働きがあります。また、中性脂肪や悪玉コレステロール値を下げる働きによって、血糖値が高い原因となる肥満を改善する効果があるEPA(エイコサペンタエン酸)や、インスリンの働きが悪くなり、分泌がうまくいかなくなってしまうのを防ぐマグネシウムなども含まれているので、ニシンには糖尿病を予防する効果があると言えます。

 

喘息の予防

呼吸をするときの空気の通り道である気道が、アレルギーなどの炎症によって敏感になり、痙攣(けいれん)を起こして狭くなってしまうと喘息(ぜんそく)になってしまいます。ニシンに含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)には、アレルギーが起こる原因である、体内で作られたプロスタグランジンという化学物質やその仲間が作られるのを抑制する働きがあるので、ニシンには喘息を予防する効果があると言えます。

 

関節炎の予防

関節痛やリウマチは体内にサイトカインという炎症物質が分泌されることによって起こります。ニシンに含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)には炎症を抑える働きを持つ抗炎症作用があります。この抗炎症作用には関節の腫れ、痛み、こわばりを緩和するなどの効果があるので、ニシンには関節炎を予防する効果があると言えます。

 

脳障害の予防

ニシンに含まれる、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)には脳の神経細胞膜に働きかけ、細胞膜を柔らかくすることによって、神経の働きを助ける効果があります。また、血管を柔らかくして、血流を良くすることで、脳に栄養をいきわたらせてくれる働きもあるので、ニシンには脳が栄養不足になり知力や精神に悪影響を及ぼすのを防ぐ効果があると言えます。この効果に脳障害である発達障害などを予防する効果があります。

 

認知症の予防

脳の神経細胞は生まれてから増えることなく、歳を重ねるとともに減っていってしまいます。脳の神経細胞が減ってしまうと脳の働きが低下してしまい認知症になりやすくなってしまいます。ニシンに含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)には脳を刺激して、残った神経細胞を活性化させる働きがあります。脳は刺激を与えて鍛えれば、鍛えただけ向上する性質があるので、脳を刺激することができるDHAを含んでいるニシンには認知症を予防する効果があると言えます。

 

骨や歯の健康維持

カルシウムが不足してしまうと、血液中のカルシウム濃度を一定に保つために、骨に貯蔵されているカルシウムを血液中に溶かし出し、カルシウム濃度を一定に保ちます。なので、カルシウム不足が長期間に渡って続いてしまうと、骨がもろくなり、骨粗鬆症や軟骨化症などの病気になりやすくなってしまいます。ニシンには骨や歯を作るのに必要な主成分であるカルシウムが含まれています。また、吸収されにくいカルシウムの吸収を促進し、骨や歯を丈夫にして骨の強度を高める働きがあるビタミンDも含まれています。ビタミンDは食品から摂取しなくても、日光を浴びることで人間の体内で合成されるビタミンですが、近年は日光を浴びる機会が少ない方や、紫外線を極度に避ける方などが増えているので、ビタミンDが不足している方が多くなっています。なので、ビタミンDやカルシウムを含むニシンには骨や歯を健康に維持する効果があると言えます。

 

目の健康維持

テレビや、スマートフォン、インターネットなどを長時間使い続けてしまうと目が疲れてしまいますが、ニシンに含まれるビタミンEには抗酸化作用があり、この抗酸化作用には目を光障害から保護することで、パソコンやスマートフォンなどを長時間使用することによる眼精疲労の改善や、加齢性の目の病気である白内障や加齢黄斑変症などを予防する効果があります。また、目の結膜を活性化させる働きによって、目の潤いを保つのをサポートする効果や視覚情報を脳に伝えるロドプシンという物質の再合成を促進する働きなどがあるビタミンAや、目の周辺の筋肉の疲れを和らげる働きがあるビタミンB1、目の粘膜を正常にする働きがあるビタミンB2や、目の水晶体の代謝と免疫機能を高める働きがあるビタミンB6、視神経の機能を正常にする働きがあるビタミンB12や、視神経の伝達をサポートする働きがある亜鉛なども含まれているので、ニシンには目を健康に維持する効果があると言えます。

 

精神の安定

現代社会はストレスを受けることがとても多く、ストレスをためて生活している方が増えています。人間の身体はストレスを感じると、その状況に対応するためにストレスを緩和する働きがある副腎皮質ホルモン(抗ストレスホルモン)を分泌します。ニシンには、この抗ストレスホルモンの合成を促進する働きによってストレスを緩和する効果があるパントテン酸が含まれています。また、糖質の代謝を促進することでイライラの解消に効果があるビタミンB1や、感情のバランスを調整し情緒不安定になったり、イライラしやすくなったりするのを防ぐセロトニンと呼ばれる脳内ホルモンの分泌を促す働きがあるビタミンD、神経の興奮や緊張を緩和する働きによって、神経機能や精神面が不調になるのを防ぐ効果のあるカルシウムなども含まれているので、ニシンにはストレスを緩和し精神を安定させる効果があると言えます。

 

美肌効果

ニシンに含まれるナイアシンには、血液循環を促すことで、クマやくすみを改善する働きや、肌の新陳代謝を向上させるなどの効果があります。また、脂質の代謝に関与し過酸化脂質を分解する働きによって、過酸化脂質が原因のひとつとして考えられている大人ニキビを予防する効果のあるビタミンB2や、抗酸化作用により体のサビと言われる過酸化物質が生成されるのを防ぎ、くすみの原因を作りにくくする働きがあるビタミンE、肌のターンオーバーを正常に保ち、肌をスベスベにする働きがあるビタミンAなども含まれているので、ニシンには美肌効果があると言えます。

 

最後に

今回はニシンに含まれる栄養と健康効果15選についてお伝えしました。ニシンは人間の体で作ることができないオメガ3必須のDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)、ビタミンやミネラルなどの栄養を豊富に含んでいて、「免疫力アップ」「疲労回復」「ガンの予防」「高血圧の予防」「貧血の予防」「高コレステロールの予防」「糖尿病の予防」「喘息の予防」「関節炎の予防」「脳障害の予防」「認知症の予防」「骨や歯の健康維持」「目の健康維持」「精神の安定」「美肌効果」などの健康効果があるので、健康面で役立つこと間違いなしですね。